こくえい不動産調査

調査コラム

調査コラム2

●衝撃の偽装? 敷地面積が足りないマンション(7/18/2006)

以前勤めていた不動産会社でのことです。

あるマンションにつき、違反建築である可能性があることがわかり、追跡調査をすることになりました。お店からほど近いそのマンションは、昭和50年代半ばに建設されたAマンションと、昭和60年頃に隣接して建築されたBマンションの2棟で、一見すると両方とも普通のマンションです。建築主は違う名称でしたが、マンション名が冠した地域名以外はまったく同じのため、関連があるとは推測できました。

まず、古いほう(昭和50年代半ば)に建築されたAマンションですが、敷地面積は登記簿上600㎡あまりとありました。ところが、建築確認の台帳を調べてみると、建築確認申請時点での敷地面積は750㎡あまりです。一体、減った150㎡はどこへ行ってしまったのでしょうか?

ところが、調査を進めていくうちに、とんでもないことがわかってきました。。。

調査コラム2写真 Aマンション新築時の分譲パンフレットの建築概要に、「敷地面積750㎡(一部借地あり)」と記載されていたのです。借地? てっきり所有権マンションでと思っていたのに、借地権? これは、とんでもない間違いをしていたのか?と、さらに調べてみると、旧公図と閉鎖登記簿謄本から敷地自体の面積は登記簿上の記載面積と同じで、すぐ北側の大きな2筆の土地が、この一部借地部分ではないか? ということが推測できました。その部分は、地元の地主さんが所有する土地で、どうも建築確認申請時に、この土地の一部を借地して(あるいは借地したことにして)申請を出したようです。おまけに、検査済証(検済)も出ている(完成検査済み年月日が台帳に記載されている)ので、当時は「適法」マンションだったのです。とはいっても、別に地主の土地を分筆をしたわけでもなく、借地の契約書や地代の納付などはまったく行われている形跡が無い。。。分譲主はその後倒産し、当時の地主さんも代替わりでわかる人がいない。管理組合理事長さんも知らず、管理会社も2年前にリプレースされたばかりでわからない。関係当事者が誰もまったくわからないのです。

こうなると、真相は闇の中です。でも、とりあえず敷地面積が建築確認対象面積よりも小さく、建ぺい率や容積率、各種斜線制限に抵触している恐れが強くなっています。では、どれがどのくらい違反しているのか?建築士の先生も参加して、Aマンションの図面の引きなおし作業が始まりました。何日もかかって出てきた結論は、容積率、斜線制限に抵触している可能性が極めて高いこと。だいたいのオーバー度合いもわかりましたが、結局「だから何なんだ」という徒労感のほうが大きかったです。

さらにとんでもないことに、このマンションの分譲後、約5年後にすぐ北側にBマンションが建築されました。それも、北側の地主さんの土地の一部を譲り受けて、また同じようにさらにその先の土地を一部借地して。分譲主名は違う会社でしたが、前に建ったAマンションと同じ本社所在地で、どうも名称変更したようです。これも偽装なんでしょうか? 当然のことながら、いまはその分譲業者(S区)は跡形もなく、知る人の話ではとっくに倒産したとのこと。随分やんちゃなシゴトをしてくれたと思いつつ、マンションの所有者のうち、どのくらいの人がこの事実を知っているのかと、背筋が凍る思いです。そして、Bマンションの北側は、現在別の建物が建築されてしまい、Bマンションの違反建築も「確定」してしまいました。

違反建築の場合、銀行ローンなども通りにくくなります。もちろん資産価値としての毀損もあります。市場価値としても売りにくいという事実があります。でも、ありのままを伝えなくては、被害者(知らずに買った方は、間違いなく「被害者」となってしまいます)を増やしてしまうだけです。怖いですね。中古マンションは完成済みなので、調査も簡単でよいと流してしまうと、とんでもないことに巻き込まれてしまう可能性もありますので、気をつけましょう。



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