こくえい不動産調査

調査コラム

調査コラム6

●調べてみました 東京都内の建築計画概要書の保管・閲覧状況など(11/30/2007)

建物の不動産調査を役所で行なうとき、建築関係の部署で、必ずといってよいほど取得する資料として「建築計画概要書」(概要書)と「建築確認台帳証明」(台帳証明)があります。

「建築計画概要書」は、そのものずばり建築確認の申請が行なわれたときの、建築計画の概要を明記した書類で、建築主、敷地の位置、主要用途、工事種別、建物の概要、設計者、施工者、代理者、見取り図、配置図などが記載されています。

「建築確認台帳証明」は、建築確認申請をしたときの内容を記載してある台帳(建築確認を行なう部署にある台帳)に記載してあることを証明するもので、検査済証(検済)の発行があれば、その旨も証明に記載されます。マンションの一団地認定(認定)や擁壁など(工作物)、エレベーターやエスカレーター(昇降機)などの、確認対象物であれば、同様に証明書の発行を受けることができます。

いずれの資料も、建物が建築されたときの貴重な情報で、確認通知書の副本を建物所有者が持っていない場合(例えば区分所有建物=マンションの取引である、一戸建で確認通知書を紛失したなどの場合)などは、その建物について、建築時の資料で比較的簡単に取得できるものとしては、他にはありません。

さて、都内各所で建物調査を行なっているうちに、あることに気付きました。「市区町村で、年度によって概要書があったりなかったりするのは何故? それも各役所で対応もバラバラ。。」
そこで、都内で建築確認を担当する各部署(全35ヶ所)に確認して、

  1. 概要書の閲覧可能年度
  2. 概要書の写しの交付の有無
  3. 台帳証明の発行の有無

以上の3点を調査してみました。

まず、概要書制度について、ポイントを簡単に。

  1. 概要書制度は、昭和46年1月1日施行の建築基準法一部改正によって発足しました。従って、昭和45年12月31日以前に建築確認された建築物には、概要書がありません。
  2. 平成11年5月1日施行の建築基準法施行規則一部改正により、保存年限が当該建築物の存続する間とされる前は、5年保存としていました(今回、5年以上保存されている自治体が多数あることが、調査のポイントです)。
  3. 平成12年度の都区事務移管にともない、移管前5年間に建築確認された建築物で移管時に工事が完了していなかったものの概要書は、移管を受けたほうが保存することとしましたが、輸送の過程などで紛失して保存されていないものがあるそうです。(理由にならない理由といえば、それまでですが)
調査コラム6写真

概要書の閲覧可能年度を見ると、各自治体ともバラバラなのがよくわかります。制度発足時(昭和46年度)から保存されている自治体は、江東区、品川区、目黒区、大田区、渋谷区、杉並区、荒川区、江戸川区のわずか8区のみ。逆に、調査時点(平成19年11月時点)で直近10年分かそれ未満のところは、板橋区、練馬区、足立区、日野市、都確認4窓口とこちらもかなりの数。特に足立区。平成10年より保存期間10年の規定は、貴重な情報を破棄してしまうという観点から、残念至極です。

また、驚くのは概要書のコピーができない自治体があり、立川市(情報公開請求で可)、日野市、都確認4窓口(情報公開請求で可)です。日野市で確認したところ、個人情報保護の関係で条例で決まっているとのこと。どうなんでしょうか。なお、情報公開請求手続では、概ね1週間かそれ以上かかるようです。急ぎの不動産調査では使えませんね。

さらに、台帳証明が葛飾区では昭和60年度以降分のみが、八王子市では昭和47年度分は発行を受けられません。(都確認から八王子市への移管は昭和47年4月〜のため)。これでは、検査済証の交付を受けている証明が出ないことになり、建物の建築時の適法建築証明が極めて困難となってしまいます(なお、他の県でも、台帳証明の発行が受けられないという情報がいくつか寄せられています)。

都内の建物を調査するときには、調査先の役所窓口、書類の有無、写しや証明書の発行の有無を把握されると、あわてないと思います。あわせて、都内建築物の概要書、台帳証明取得先一覧もつけておきますので、普段の業務でご活用下さい。

*本文と写真の建物とは関係ありません


・都内 建築計画概要書の閲覧・謄写および建築確認台帳証明発行状況 一覧(PDF)

都内 建築計画概要書の閲覧・謄写および建築確認台帳証明発行状況 一覧(PDF)
(60kb)

・都内 建築計画概要書・建築確認台帳証明取得先 一覧(PDF)

都内 建築計画概要書・建築確認台帳証明取得先 一覧(PDF)
(76kb)


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