こくえい不動産調査

調査コラム

調査コラム7

●原野商法の被害は今でも・・・(7/3/2008)

先日、ある高齢のお客様から、栃木県那須の別荘地の調査依頼が舞い込んできました。調査の主目的は「現地がきちんと整地、伐採されているか確認して欲しい」。一体どういうことなんでしょうか??そこで、詳しくお話を伺ってみると、とんでもないことがわかってきました!
その土地は、今から40年ほど前に、亡くなったご主人が購入されたそうです。昔は何度か現地を見に行ったことがあるとのことですが、今はその土地がどこで、いまどうなっているのかまったく分からないとのこと。

調査コラム7写真1 そんなある日、知らない不動産業者から、「あなたの土地を買いたい人がいるので、是非売って欲しい。ただし、現地を伐採、伐根、整地しないと引渡せないので、その工事をあわせてお願いしたい」との電話があったそうです。その土地は、売りに出しておらず、実際には不動産の価値がないと思われるにもかかわらず、その業者は買い手があたかもいるような勧誘トークで押してきて、結果的には押し切られてしまったとのこと。

その業者は、ほどなくお客様宅を訪ねてきて、「土地売買予約契約書」と「工事請負契約書」を持ち込んで、契約をさせました。
「土地売買予約契約書」は予約完結者(契約書上は買主)がその不動産業者であり(当初言っていた「買いたいという客」ではない)、契約書に収入印紙の貼付もなく、それだけでもかなり怪しい書類ですが、内容も、契約締結後一年以内に、買主(業者)が売買代金1,500万円(実質坪@7万円)で売買完結の意思表示をしない時には、この契約の効力を失うという、まことに都合の良い「勝手な」ものでした。

一方で「工事請負契約書」にはちゃんと印紙が貼ってあり、伐採、伐根、整地工事一式として、なんと230万円の金額が記載されてあります。なお、私に調査依頼があった時には、すでに工事が完了し、代金も全額支払ったあとしばらく経ってからでした…。

そこで、調査の内容としては、

  1. 現地の確認(場所の確定と伐採状況の確認)
  2. 予約代金の金額、伐採代金が不当に高くないか?
  3. 関わった不動産会社はどのような会社なのか?

の3点を重点的に調べることになりました。

そこで分かったことは、

  • 現地は、かつて原野商法で販売されたと思しき荒地で、確かに区画割などはなされていたものの、何十年も手付かずの状態だったようで、現地までのアプローチ道路も荒れ放題で、乗用車では入れないような状態。現地は確かに伐採、伐根、整地はなされていた。しかしながら、周辺が荒れ放題なため、伐採によって土地の価値がUPするようなことはない。(なお、現地は公図の作成もなく、固定資産税の課税も行われていない)
  • 現地の不動産業者にヒアリングを行ったところ、土地価格はつけられず(タダ同然)、伐採代金は概ね20〜30万円くらいが相場。
  • 関与した不動産業者は、その後宅建業者の免許取り消し処分を受けていた。
調査コラム7写真2

東京都の報道発表資料に詳しいですが、原野商法の被害者に対して悪質な勧誘を行い、売却目的に乗じて、不当に高額な整地代や測量代などを強要する手口だったようです。

「不適正取引を繰り返す事業者に1年の業務停止命令」
(報道発表資料 東京都HPより)
「宅地建物取引業者に対する行政処分について」(同)

残念なご報告をお客様にしましたが、お客様はご理解いただけたようです。一方で、実際に不動産を処分することも非常に難しいのが現実…。実際に、このご報告のあともお客様に対して、いかがわしい業者から「買いたいというお客様がいるのですが…」という勧誘の電話が毎月のようにかかってきています。どうも、「原野商法被害者名簿」が回っているようですね。このほか、同じような手口で、不当に高額な土地の測量費用などを騙し取る手口もあるようです。

昔買った別荘地、相続で取得した土地、何十年も放ってある不動産…。売りにも出していないのに不動産業者から「買いたいお客が…」という話には、くれぐれも騙されないように気をつけて下さい!



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